えびてんから見る、
人気イラストレーター特集

えびてんを知る

えびてんから見る、人気イラストレーター特集

やり方次第でいくらでも売れる

オタクの世界にとって絵というのは非常に重要な商材となる、といっても過言ではないでしょう。筆者は以前、某虎のマスコットが活躍しているように見えるショップで勤務しており、その中でも同人ではなく商業用のコミックスや小説、画集といった商品の展開を担当する部門でアルバイトをしていた経験があります。その時の経験談から言わせてもらえば、本当に色々な作品が存在しています。それこそ今まで知りもしなかった漫画もそうですが、雑誌にしても毎月入荷してくる物を把握するまでそれなりの時間を要したものです。毎月同じような日にどんなものが発売されるのか覚えた頃、商品を展開することにも慣れていきましたが、同時に分かってきたのが推し出したい商品と、推し出さなくてはいけない商品をいかにして売れさせるかということでしょうか。

こうしたショップ、他の小売店業でもそうでしょうがただ商品をディスプレイに展開してハイ終わり、というわけには行きません。逐一商品が購入されていく流れを追っていって、どんな商品が一番売れるのかと探るのも仕事の1つです。そうして人気の高かった商品は次に来た時は最もお客さんに見えやすい位置に展開して売れるよう配慮しなくてはなりません。お店自体の方針で売りださなくてはいけない商品というのもありますが、何が売れるかはある程度決まっているのですが、たまに予想が裏切られることもあります。これは安定だろうと思っていた商品はものの見事に初日で完売する勢いで売れてしまったケースもあれば、逆に有名なのに売れないままで結局返品せざるをなくなったという作品も当然存在している。残しておく必要があると考えるにしても、こちらも商売でやっているため売れない商品は基本、全て返品しなくてはならない。余分な在庫を抱えていられるほどお店にもスペースはないからだ。

さて、今回の記事ではその時の経験から活かして少し話をしていこうと思いますが、その中でも今回は『表紙と中身』というものに焦点を当ててみよう。何を言いたいのかすでにわかったという人もいるかもしれません、テーマを話すための素材として『えびてん 公立海老栖川高校天悶部』という作品を基に話をしていこう。

作品概要

まずは簡単にえびてんという作品についてだが、一言で言えば『腐女子が色々集まってオタク談義をしている』といったところだ。ひどい表現方法と取られるかと思うが、実際にそういう話が中心となっているのでしょうがない。話の流れも、主人公が突然何か異能な力を覚醒して世界を救う旅に出る、ヒロインに引っ張られていきなり部活動を作ると言い出して翻弄される、とどこかで聞いたことがあるような展開が巻き起こるわけではありません。

ではどういう作品なのかというと、学校の放課後で本来の部活動を目的意義を完全に見失った部活が、いつしか腐女子の溜まり場となって楽しく毎日過ごすという、何の変哲もない日常漫画となっている。この手の日常作品もここ数年の流れからか増えた作品となっているが、作品そのものが始まったのは2008年のコンプエースから連載が始まったという。当時を知るファンにすれば馴染み深いが、それより後から作品そのものを知った人の中には知らない人もいるだろう。実際、筆者もこの作品についてはショップで勤務している時に商品として入荷してきたことで知ったくらいだ。

コミックからアニメへ

連載が始まってからは順調に展開が進行していき、漫画がスタートしてから4年後の2012年にはアニメ化もされて放送された。待ち望んでいたという人もいるでしょう、事実かなりの力を入れていたことも把握している。曲がりなりにもコーナーに展開して力を入れていた方だった作品となっている。アニメ化が開始された2012年には放送前にそれまで発売されたコミックスを完全フルカラーコミックスにして売り出すなど精力的に作品の推し出しをメーカーが行っていた。

その時発売されたフルカラーコミックスについては、お店側から言わせてもらえれば売れ行きとしては決して悪いものではなかった。むしろこれだけの作品で全ページフルカラーというのはコスト的な意味からしても、決して安いものではない。それだけメーカーがその当時は売り出したかった作品だったということを意味しているのか、などと当時売り場で商品展開している最中は思ったものである。

評判に関しては

ただ推し出したとしても、それが良好な結果を生み出すとは限らない。むしろそんなに推し出していなかった作品が急激に評価されて売上が倍増したというケースもあったが、むしろ推し出せば推し出すだけ評価がついてくる作品も確かにあったが、それらの期待が高すぎたという傾向もある。えびてんにしてもそうだが、フルカラーコミックスを制作して発売し、アニメも放送されて好調のように見えるが、蓋を開けてみると期待されていた分の結果を生み出すことは出来なかったと言わざるをえない。

アニメ放送が2012年に終了してから約4ヶ月後、2013年1月に発売された今どきよくあるBlu-Ray付き限定版コミックスが発売されたときには既に勢いもほぼ無くなっていたため、売れ残る可能性があった。この手の商品、返品ができない買い切り商品となっているため売れ残ったらお店の資産として残しておかなくてはならないのです。残る=不良在庫というケースになる可能性もあるため、この商品が発売された時には目につくよう展開したことで、そこまで悪くはない売上を出し、店舗入荷数分は無事に完売してホッとした事を覚えている。

店員として働く以上は売上が出るよう取り計らわなくてはいけないため、こういう細かい所にも気を配っていた。

何が言いたいかというと

ここまでで筆者が何を言いたいかというと、要は期待されていたよりは人気に応えられなかったということだ。えびてんと言う作品の善し悪しを問うのであれば、色々な意見も出ているがとりわけ内容に問題があると評している人が多い。こればっかりに関しては作者などにも問題だと取れる部分もあるかも知れないが、むしろ作画を担当した作家さんについていえば問題ないくらい人気が高いといえる。

えびてんでもそうだが、最近は特に表紙絵と中身の釣り合いが取れていない作品が見受けられる。評判が高いという触れ込みから感じられるほど、そこまですごく面白いと感じるものでもないのに残念だったというリアルな声も存在している。こうした作品が売れる一番の原動力は、絵を書いているイラストレーターさんの存在感が一番強いということだ。またこのえびてんを見た時、人によってはあの作品を連想したという人もいるのではないだろうか。